字の流れを推測し、駒字として完成
別項の「駒資料館・俊光(花押)」「作品ライブラリー・俊光(花押)/第274作」と合わせてご覧いただきたい。
もともとは、資料館に掲載した古い書き駒をもとに、駒の書体として私が作り直した。歳月とともに、漆が剥離(すり減って)してよくわからない「龍王」などは、将棋駒研究会会長・北田義之氏に相談して、字の流れを推測していただき駒字として完成させたものである。
左に掲載したいくつかの駒字(原本の駒・字母紙・掲載の駒)をご覧いただければ、その苦労と駒字としての完成までがおわかりいただけるはずである。書き駒にかぎらずこのような漆の剥離は、盛り上げ駒にもいえることだが、駒としてのその働きからか「龍王」「龍馬」「成銀」などに、漆の磨耗がより顕著に現れる。当然なことに盤面にあまりふれることの少ない、「玉将」や「金将」はわざと傷つけたりしなければ、漆は飛んだりすり減ることは少ないものだ。
駒銘に書かれた「花押(かおう)」については、他でも述べたが一応ここでもふれておく。駒銘の写真などを見ていただけばおわかりのように、「俊光」の下に字にも絵にも見えるものがあるが、これが「花押」である。古来サイン代わりに使われた一種の記号で、駒以外にもいろいろと使われてきた。原本となった駒では、「玉将」「王将」ともに「俊光(花押)」の同じ駒銘が書かれていた。
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