上の写真は、復元した「龍王と角行」。ことに「龍王」は、不鮮明な箇所が多く、かなり苦労した。これら以外でも、おもに裏字復元に手間取った。
 下の写真は、実物の「龍王と角行」だ。こちらは、駒形がやや縦長で、厚みがある。

俊光(花押)島黄楊板目交じり書き駒/第274作(藤井安剛氏所蔵)

※別項「駒関連資料館・俊光(花押)」をもとに、まったく新しく復元したのがこの駒である。この書体についての詳細は、そちらに譲る。
 拙著『将棋駒の世界』にも、その駒を掲載させていただいたので、そのお礼もかねて新しいこの俊光(花押)は、所蔵者に差し上げたものである。
  昔風に素朴な木地に、実物と同じく書き駒 で作った。ただし、左の下の写真を見ておわかりのように、いくつかの駒は漆がすっかりすり減り駒字がはっきりしていない状態であった。
  そこで、書体として完成するまでに、一苦労した。このHPでもすっかりおなじみとなった「将棋駒研究会」の会長・北田氏に私が相談し、二人でこの書体を作り上げたのである。
 2007年の私の年賀状に書いた「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」(温故知新)ではないが、古い駒や駒字に学ぶことも多いのである。駒を作るうえで、このようなチャレンジも、時には必要かもしれない。
 華美すぎない素朴な駒木地に、このように素朴な書体を甦らせてみたのだが、はたしていかがだろうか。